from 校長室

                                                     令和4年度 第4号 花火と共に大空に広がった歓声とその後

 

 なんとはやいもので、気づけばもうすぐ10月。前期ももう少しで終わりです。

 マスクと共に活動する生活が未だ終わらぬまま、1日1日と高校生活の日々が進んでおります。様々な行事や、行動に制限が加わり、3年制諸君を始め、生徒諸君はコロナ禍の中での学生生活を余儀なくされたわけですが、とても柔軟性をもっており、そんな中でも笑顔を絶やさず、前を向いた行動が随所に見られ、逆に私の方がはたと気づかされることが多くあります。

 人は、年代毎に、意識しなくとも、そこにいるだけで地域にとって大切な役割を果たしている!と考えています。

 だからこそ、地域にとって、若者を含め多様な年代の人々が暮らしていける状況は貴重であると強く思っています。

 6月。『文化祭の時に是非花火を打ち上げたい。』という声を聞きました。その声は実行委員会の意見としてまとまり、先生方の賛同も得て、2日間の文化祭の中夜祭で実行することになりました。あらかじめ花火を打ち上げることを周辺の地区に足を運んでお許しをもらい歩き、本番にこぎつけた彼ら。

 当日、天気が味方してくれて、ひさびさに、多くの若者が校舎のベランダに鈴なりにならんだ風景が本校に戻りました。花火が打ち上がると、本当に久しぶりに校舎から歓声が上がりました。

 花火と花火の間には、彼らの思いのこもったナレーションが入り、私も目頭が熱くなりました。50発の彼らの思い。

 数日後、生徒が数人、校長室に来て、『近所の方々に、とっても良かったよー。元気もらったよーっていわれました。これも地域のためになりますよね!!』

 目が輝いていました。

私は、この子らは、本当に、地域の方々に育てていただいているんだなぁーって胸が熱くなりました。

 『良い学校は、良い地域にしか生まれない。』教育学の大家が、講演のたびに口にする言葉を思い出していました。

 花火と共に大空に広がった歓声とその後の温かいお声がけ。それぞれの持つ役割が共鳴しあって、大きな大きな力を生む。約1ヶ月遅れのご報告となり申し訳ございません。

 これからも、本校へのご支援をどうぞ、よろしくお願いいたします。

                                                                                                                                From 校長室  R4.9.29

                

 

                                                         令和4年度 第3号 変わりつつある自然・社会

 

 暑い!とにかく酷暑であります。

 もう気象予報などで何度も解説されているのでおわかりの諸君も多いと思いますが、日本の夏は、2つの暑い、チベット高気圧と太平洋高気圧、冷涼なオホーツク高気圧の動向で状況が決められる位置にあります。

 今年は、ラニーニャ現象のためもあり、背の多が高く上空にあるチベット高気圧が発達し例年より東に張り出すと共に、チベット高気圧よりは低い位置にある太平洋高気圧が発達して例年よりも西に張り出し、結果的に日本の位置で、上空にはチベット高気圧が、その下層には太平洋高気圧が重なり、二段になった高気圧のおかげで熱い空気が入り込みやすくなって酷暑となっている訳です。両高気圧と共に、勢力が強まるときと弱まるときがあり、リズムが生じます。両高気圧の張り出しが弱まると、日本付近には北の冷涼なオホーツク高気圧から、湿った冷たい風が入り込み、それまであった猛烈に暑くなった大気と出会い活発な積乱雲を作ります。これは時に猛烈な豪雨をもたらします。

 これまでの安定した地球環境が、変化を始めています。

 酷暑の環境では、水は、熱中症を防ぐ『薬』といっていいほどの役割をもつようになります。環境の変化を読み取り、意識を変え対応していってこそ、『適応』いや、『生存』が可能となります。

 これまでの安定であった時代も、本当は適応に対するスキルが必須であったのですが、都市化や、様々なサービスで、人が住んでる環境は、安全なシェルターのような状況になり、我々が、知恵を使ってこそ生きながらえる存在だということを意識しなくとも誰かのおかげで生きてこれただけです。だって、そんな時代でも、例えば、冬山に行ったりするだけで、知恵と経験、加えて科学的な知識を持ってこそ生きていける環境下で人生を送っているのだということは、簡単に経験できていました。

 いまや、当時、危険な環境といわれたところに出向かずとも、それを意識し実行しなければならない状況が出現するようになった事になります。 

 豪雨に時にどこが安全であるか、極寒になったときは?豪雪になったときは?暴風の時には?・・この地球に生きるために求められる我々のスキルを高め始め続けてきた、原始の出発点、いや、生存を可能にする原点を大事にする時代になったといってもいいでしょう。

 これからの時代は、かつて我々の先祖がそうしてきたように、大地に触れ、風に当たり、雲行きや森の様子を見る目を養い、そうした物から変化を嗅ぎ取る、感性?スキル?がより健やかに生きる事ができるか否かを分けるポイントとなります。

 社会も変わりつつあります。特に、情報に翻弄される状況があげられるでしょう。即座に世界中の情報を入手できる便利な状況であったはずですが、コロカ禍や、戦争を契機に大きく化けの皮が剥がれてきています。

 何が真実か、わからなくなってきてしまった。ということです。

 これもまた、極論すると、必要な情報は自分で足で稼いで取りに行くという姿勢が必要になってきた気がします。原始に帰ったような、いや、原点を大切にしなければならない時代に入ってきた気がします。

 この状況、私は、わくわくします。人間本来のバランスのとれた能力が開花するチャンスが到来した!と感じるからです。 

 さぁ、適応を目指して進化しましょう。止まってはいられません。

                                                          From 校長室 2022.6.29

                

                 

              令和4年度 第2号 「いつもの力を発揮する」難しさ

  

 5月になりました。今年の定期戦は、負けてしまいました。互いに悔しさをかみしめた1日でした。その後、定期戦の壮行会で、みんなに話しておくべきことを一つ忘れていたことに気づきました。まぁ、とても自分勝手な反省です。

  簡単に言ってしまえば「連覇」の呪縛にひっかるな、という事です。それが目標であるうちはいいのですが、人によって、また、チームによって、時にネガティブな作用を及ぼすことがあるのも事実。

  高校教員になって山岳部をもって、自分のチームがインターハイにたびたび出場をはたせるようになったものの、どうしても達成できなかったことが「連覇」でした。意識してしまうんですね。私が監督として至らぬ点はそこにありました。練習時点から、連覇を意識して力が入ってしまうんでしょうかね。

 山岳競技は、体力や難所をうまくクリアする歩行技術だけを競うのではく、天気図が書けて予報ができるか、地図が読めるか、救急法の知識を持っているか、など、要するに一番安全に山を旅する(山行)ことができるチームを選ぶ項目が審査される競技です。インターハイは8月の酷暑の中を重い荷物を背負って3泊4日の行程を山行する中で審査をします。テント泊、自炊はもちろん、顧問も生徒と一緒に歩き、当時は同じテントで寝て、同じ釜の飯を食べました。

 生徒が平気でも、顧問がばてるとチームとして失格になります。顧問と生徒は文字通り24時間一緒になりますから、顧問の心の持ちようは生徒にも伝播しやすいわけです。

 普段十分な練習を重ね力を蓄えていても、「連覇」を狙う私のオーラが、「いつもの力を発揮する」彼らの姿勢を乱していたのだと思っています。いつもの力をどんな時にでも発揮するって、難しいですよね。

 もちろん、壮行会で、そのことを話していれば勝敗を変えただろうなどとは思っていません。ただ、自分が経験したことを、大切な場面で後輩たちに伝えなかったことを悔やんでる、本当に自分勝手な話です。

 地区総体が終わり、一度は敗退したものの、心を切り替え、「普段通りの力」を発揮し県大会に出場を決めた!・・・。静けさと緊張の中でも「普段通りの力」を出すことに集中して矢を射り、頂点にたった!・・・。竹刀を交えながら、ちょっとしたすきをついて頂点に立った!・・・。嬉しい話がたくさん舞い込んできました。

 若い頃の感動は一生の宝物になります。これは、悔しさとて同様です。

 今年はそんな経験ができる大会等が多く開催できるようになりました。それでも感染が広がらないのは、これまで培った感染予防の「いつも通りの力」のおかげだと思っています。

 でも、人間は自然には勝てません。どんなに注意しても感染を100%防ぐことはできません。だからこそ、コロナ禍で、どんどんかつての日常をとり戻していくとき、個々人が自分のこととして、これまで培った感染予防の「いつもの力」を発揮していくことがますます重要になっていくと思います。

 お互いがお互いを思いながら、今年1年、充実した活動をたくさんできるように、これまで培った感染予防の「いつもの力」を発揮して、活き活き過ごしていきましょうね。

                                       From 校長室 2022.5.19

                

                

                    令和4年度 第1号 コロナ禍でも花は咲く

 

 令和4年度が始まりました。またしても、コロナ禍の中での幕開け。

 しかし、わたしは、昨年度の築高生との生活から、「コロナ禍でも花は咲く」という確信をもって新年度に臨むことができました。

 昨年度、定期戦に勝利し、運動部も文化部面でも全国大会に出場を果たし高い評価を得ました。地区大会レベルの大会においても男子校・女子高以来の優勝を勝ち取る部活がありました。吹奏楽部は地区大会で金賞を獲得し県大会出場を果たしました。

 進路面においても、国家公務員の合格し外務省入りを果たした者、税務関連や警察官(3名でそのうち1名は婦人警官)消防士への道を、就職希望者も志を達成し新しい春の中にいます。

 進学希望者は、今年は例年の推薦入学者に加え、一般入試で合格を勝ち得た築高生が大変多くなりました。粘って最後まで頑張る姿を残してくれました。国公立大に進学を希望していた築高生のうち横浜市立大学をはじめとする大学に10名が希望をかなえました。そのうち9名が一般入試の力をもとに合格しています。築高生は伸びる!!

 築高は全国でも通用する、様々な力と個性を持った、多くの仲間とともに生活する3年間を送ることができる学校であるという事です。その友との活動から様々なことを考え、自分を発見できる機会がそこ、ここにあたり前にあるんですね。その当たり前を大切にして自分を磨いていけば、「花開く」はずです。

 もちろんたくさんの個性が一つ屋根の下に生活していますから、いいことづくめではありません。衝突やすれ違いもあります。しかし、先生方や保護者の方々や友達の助けを借りながら悩み、自分なりの答えを見つけていくことは、これとて、卒業して保護者のもとを離れれば、皆さんの生活する社会はもっと多種多様な考え方、生き方の人々がたくさんいるわけですから、大切なことになっていきます。

 この4月、本校は151名の新たな仲間を迎えました。式辞の中で「今日から君たちは築高生である!」と宣言させていただきました。その瞬間から、中学生気分とは決別し、高校生として1つ一つ、新しい視点や、考え方を身につけて、しっかりと努力を重ねていってほしいと願っています。さすれば、どんな世界が待ち受けようとも、ともに活き活きと生きる力を獲得していけるものと信じてます。築館高校という一つ屋根の下で出会ったもの同士、素晴らしい物語を創っていきましょうね。

                                        From 校長室 2022.4.15