from 校長室

第1号 予期せぬご挨拶  

 令和3年度が始まったと思ったら,もう4月も終わりです。

コロナ禍の令和3年度。宮城県はコロナ感染者が急増する中で新学期を迎えました。

 この度,HP上に「From 校長室」を開設しました。赴任早々に用意していた原稿をアップする予定でしたが,諸般の事情からそれは,第2号に譲ることにしました。

 学校の様子のみならず,郷里栗原に関すること,日ごろの私の雑感なども含め不定期に書き込んでまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

さて,新学期早々,本校は3日間の臨時休校措置をとることとなり,皆様に大変ご心配をおかけしました。学校再開の日と14日間の健康観察をおえて生徒諸君が登校する日,改めて,今の時代は何に気をつけ,どう過ごしていけばいいのか等を放送や,教室に赴いて話をし,共に先に進むことを確認させていただきました。

 こういう時代だからこそ誰もが心が揺れ動き不安になったり,元気がなくなったりもする訳ですが,高校生からは50代後半の私にはない明るさと,素直さと,ひたむきさが伝わってきます。『純粋に,純粋に今を生きろ!』という言葉が聞こえてきそうです。

 若者は素晴らしい! 彼らが,そこにいるだけで周りに活気が満ちてくる。

 人間は,年代に応じて『そこにいるだけで,気づかぬうちに果たしている役割』というものを必ず持っている!と改めて気づかされる場面でした。

 今後,これまでの感染予防対を点検し,新たに手を入れながら,コロナ禍においてもこの素晴らしい若者たちと築館高校で共に健やかに,豊かな時間を過ごしていきたいと思います。

 次号は4月当初掲載予定だった自己紹介を改めて掲載させていただきます。

From校長室 2021.04.30 

 

 

           

第2号 改めましてのご挨拶  

 この4月1日をもって築館高等学校に赴任いたしました,狩野 秀之と申します。   

どうぞよろしくお願いいたします。

 生まれは栗原市,築館高校出身です。下駄ばきで自転車通学。ボロボロの帽子と学ランをまとい,腰から手拭いを下げて,冬にはマントを纏う。そんな姿がかっこいい!と思い込んだまま高校生活を送りました。今では顔から火の出る思いです。しかし,時代に逆行した演劇のような日々は,個性的で魅力的な友人と暮らした素晴らしい3年間でした。その頃から,郷里の山に沈む夕日に心を奪われる一方,すごい勢いで都市化が進展していく環境の中で,「自然と人間の共存」にやたらと興味を持ち始めました。

 高校卒業と同時に,郷里を離れ一人暮らしを始めました。一浪して,めでたく弘前での大学生活が始まると,理学部地球科学科に在籍する傍ら,体育会探検部と出会いました。「その先を見たいでしょう?」とばかりに探検の志をくすぐる津軽の地平線に誘われ,道なき,白神山地を数日かけて日本海に抜けたり,未知の洞窟の中で,ヘルメットとツナギ姿で頭がようやく通るような場所を通り,測量しながら何日も過ごしたり,カヌーで源流部から河口まで川岸で生活する人と関わりながら下ったり,厳冬期の冬山に分け入ったり,日本一周や海外を放浪・・・・。

 つまりは,両親に迷惑ばかりをかけたわけですが,その活動の中で,様々な自然と,自然と共に生きる多くの人との出会いに胸を震わせるうちに,この地球(自然)で人間が活き活き暮らしていくためには何が必要なのか?という未だに消えぬ問いが生まれました。

 しかし,後に,その問いの原点は高校時代にあったという事を発見することになります。

今は,経験から得たある共通項をヒントに自分なりの仮説をもって行動に移し始めています。おそらくFrom校長室でもそのあたりに触れる機会があると思います。

 次の時代を担う,彼らに対して我々世代がどんなことを伝えていけるか,残していけるのか!という事を念頭に置いています。もし,ご意見ご感想があれば,ぜひ,校長あてにご連絡下さい。お話をしたいと思っています。

 そんな人間でありますが,末永くよろしくお願いいたします。

 From校長室  2021.05.06 

 

第3号 5月から今日までの出来事

 月日の流れは早いもので、もう7月に入ってしまいました。このFrom校長室は毎月、1号づつ書き足していこうかと思っていましたが、のっけからこの調子です。

 5月から今日まで、様々な大会や行事がありました。栗原・登米支部の地区総体、野球の春季リーグ、対古川高等学校との定期戦、吹奏楽部の定期演奏会、県総体、陸上部や県水泳大会で上位にくい込んだ諸君が参加した東北大会。そして、女子ホッケー部の総合優勝と、インターハイ出場の決定。

 コロナ禍の中で、臨時休校や様々な行動の制限を受けながらの生活は、これまでのように、思い切ってプレイし、大声を出して応援し、喜びを爆発させたり、思いを自由に表現したり、悔しいときにはお互いに肩を組み合って思いやったりすることができずに悔しい場面も多いけれど、君たちの、『今』に集中して軽やかに日々を過ごすその姿に、若さの持つ柔軟さと、はつらつさに驚き、うらやましくさえ思いました。

そんないくつかの場面から、私なりの確信が芽生えています。

 格上の相手と知りながら、ひるまず試合に臨み、何度も逆転をくりかえしながら、粘って、粘って、粘って、逆転して勝利を手にしたり、先取点を与えながらも冷静に試合を運び,個々人が、素早い動きで互いをカバーしながらチームとして、懸命に粘って逆転にて勝利を手にする場面とか・・。力のあるチームがなせること、そのものだよね。

 君たちは自分たちをどうのように評価しているかはわからんが、もっと高い目標を持って練習を重ねれば、どんどん伸びるんじゃないだろうか?

 これは、どんな活動にしてもいえると思うな。力持ってるぞ!君たちは。という確信。

 君たちとはこれからの学校生活を通して、それを実感してもらえるように頑張りたいとおもいます。

 最後になるけど、今は安全な平和な時代じゃないよね。なんといってもパンでミックの真っ只中だ!君たちには,感染予防の肝や、コロナによる分断の落とし穴に落ちないようにしよう!と、何度も話してきたと思う。心に響いてほしいね。今の時代、それを当たり前のこととして、楽しいことを考えて、前に進みたいと思ってます。

 梅雨が終わると、暑くなるけれど、それでも活き活きやっていきたいものです。

From校長室  2021.07.09 

 

                   第4号 コロナ禍の真っただ中で

  夏休みが明けて、ほぼ1週間。

 体調はいかがですか?私は、暑さ+湿気が大嫌いでね。学生時代は、タイだとか、ネパールだとか、南の方を放浪していたんですが、そんな気候、なんともしなかった。

 でも、その後に、シベリアをバイクでひたすら走り、サハリンを車で一周して以来、自分には湿度が低い冷涼な気候帯があっていることに気づきました。

 以来、合言葉は、『北へ、もっと北へ』となっています。北を旅すると、冬の気候が厳しいはずなのに、そこに定住している人々の暮らしぶりにはとても惹かれるものがあります。

 そこに住む、多くの人々はもちろん、特に、イヌイット、ニブヒの人々の自然とうまく絡んだ暮らしぶりには目を惹かれます。

 研究者を目指していた私にとって私は、旅は(自分では、調査探検と呼んでいます)単独行がほとんどです。国境を越えるってどんなことか、異文化に触れるには自分の国の文化を語れないと、本当に信頼や尊敬する関係ができないこと、何より、一人だと、周りをよく見て状況を判断し、自分の頭で考え判断することが多くなります。サービスに頼る、誰かのせいにする、ということはできなくなります。自分の足と、知恵で生きている感覚が、たまらない魅力!

  コロナ禍で、今は実行できないですが、これまでの記録を頼りに、まとめ直し、栗原での生活に取り入れることができる、考え方や、大切な精神が多く、発見の日々にワクワクしています。

  前置きのつもりが長すぎました。

  先日の全校集会で、お話しした通り、築館高校生は、今も昔も変わってないなぁーと思っています。諸君は自分たちが思っている以上に、いい力をそれぞれ持っている・・・。

 定期戦、手に汗握る接戦を乗り越えての勝利に始まり、東北大会には陸上部・水泳部門が出場。全国大会には、女子ホッケー部が東北大会で優勝しての出場でした。弁論部門では、3年連続で全国大会出場を果たしている本校ですが、3年生の高橋菜乃花さんが築館高校では初めて全国大会で受賞(優良賞)を果たしました。もう一つ、東北大会には出場しませんでしたが、吹奏楽部が20年ぶりに県大会で金賞を受賞、また、書道でも、3年生後藤未樹さんが全国レベルの2つの競書大会で賞をいただいています。これらが、その証になります。その証を、サラーっと書きましたが、ここで諸君に心に留めて欲しい築館高校の大事な特徴があります。

  運動部も文化部もしっかり活躍していることです。

  これは、築館高校の仲間は実に多彩な特技や能力を持った人々の集まりであるということの証。全国的にも評価されるくらいのね。もちろん、生徒数が多くなると、相性の良し悪しも多々出てくるけれど、この学校は、さまざまな才を持った人々と出会える集団だってこと!

  おそらく、文化祭とか、体育祭とかの行事を始め、休み時間や、授業の受け方まで、いろんな舞台で、その気になると、もっと、もっと、他人とは違った、面白い、秀でた特技や能力を発揮できる集団だという確信を持っています。脚本家の宮藤官九郎や 芸人の高山 広、俳優さんのおかやま はじめ、そして狩野 英孝はそんな土壌から育まれていったわけです。

  一方で、今は、遊び方が画一化しだしているともいえる。時には、商業ベースに乗せられている節がある。何であれ、楽しみを与えられることに慣れてくると、自分で新しいことを生み出し、工夫するのがめんどうくさく感じてしまう。時には違ったことをやっている人を、変な目で見ることも生じてくる・・。これは、残念な部分を含んでいると思う。

  時に、『流行は疑ってかかれ』というようなものの見方で、流行ってるものを、一度自分なりに立ち止まって、確認してみることもいいと思う。そこから、改めて、自分を発見する機会になるし、自分を見失わずに、己の良さを生かして、楽しい人生を歩めるきっかけになる。

  そう、そう、話は飛ぶけれど、きちんと手続きを取りながら、遊び心を生かして、チャレンジしていく姿勢っていいよね。例えば・・、農作物の栽培に挑戦している自然科学部の遊び心とか・・・。さらには、そっからどう繋げていくか!という挑戦が始まることに期待したいね。

  さて、話は変わるけれど、夏の高校野球全国大会や、インターハイを見ても、これまでやってきた厳重な感染予防対策をとっても、選手が感染することが起きていることを考えると、デルタ株は、明らかにこれまでとは違う!と感じる。今まで通りの感染対策をしながら、これまでのようなことを実行していくことには限界が見え始めている。だから、制限のある中だけれども、これまでと違った取り組みや、遊び心、楽しみ方を開拓しなければならなくなってきてると思う。

 これはさ、チャンスだよ!

  ちょっと話題に出ている、文化祭の各団体のプロモーションビデオ的なものに期待をしています。勝手に、しかも、大げさに名付けるなら『デジタル文化祭』に取り組もうとしてることになるかなぁ。新たな遊びの技術と出会って、力を磨けばいい。遊びの世界が広がると、発想も柔らかく広いものになる。様々な能力が刺激され世界が広がることは当たり前に実証されている。

  今からチャレンジできる、君たちの若さが羨ましい!!                                                           

                                            2021.8.24  From 校長室

 ※   後 日 記

  この文章を書き終えてHPにアップする前に、宮城県に緊急事態宣言が発令された。

  その影響で、学校活動をめぐる状況が変わり、明日からは分散登校となる。もちろん、文化祭に対して準備に費やすことができる時間がめっきり減ってしまった。

 それでも、準備に時間を割いている諸君がいた。どんな出来栄えになろうとも、私は、その心が嬉しい。大切にしてほしいな。やってみようとする、その姿勢。何よりこれこそが、今を大切にしている、一つの例だよね。

  じっくりと、新しき創造に使える時間が突然途切れてしまうのも、コロナ禍の今を象徴しているざんねんなことだけれども、それでも、時間をみつけて、やってみようとする・・・・。とてもいいんじゃないか?

  さて、ことは深刻になりつつもあります。高校生である君たちには、人に言われるまでもなく、デルタ株の特徴をよく調べ、自己防衛の知恵をしっかり行動に移し、さらにその輪を広げることで、友を守り、家族を守り、地域を守る自覚と行動を期待したい。さらに、感染した人が現れたら、皆で回復を祈り、その人が元気を取り戻したならば、再びいつもの活動の輪に自然に溶け込めるように、誘う君たちの行動に期待したい。そうやって地域が作られていくことを忘れないでほしい。それこそが、築館高校が唱えてきた、『人のための活動』を実践することになるのではないか?

                                      改めて2021.8.31     From 校長室

 

                      第5号 修学旅行によせて 

 

 第4号から、3ヶ月も経過してしましました。この間、ホッケー部女子が全国高等学校ホッケー選抜大会の出場権をかけた、東北大会の全試合を無失点で勝ち上がり優勝し、見事、その切符を手に入れたことを始め、築館高校の生徒諸君の活躍は数々ありました。その振り返りは第6号に譲るとして、今回は目前に控えた2学年に修学旅行について書いていきたいと思います。

 コロナ禍における学校生活も2年目に入りました。この機会をとおして、これまでの学校行事や、部活動、いや、授業を含めた学校生活の1つ1つの意義や、大切さをかみしめる機会となりました。

我々が経験しているコロナ禍は、間違いなく後世の歴史の教科書に載る出来事であります。

 コロナ禍における行事の遂行は、我々の健康を直接左右し、命にも関わる、よくわかっていない自然現象との遭遇故に、難しい判断を迫られます。だからこそ、1つの事柄に対する個々のアクションについても、様々な違いが生じてきます。

 本校では、様々な対策をとりながら、泊数を減じて関西方面への修学旅行の実施を決めました。

 修学旅行に参加する諸君は、まずは、感染予防対策のスキルを問われる日々となります。

 2泊3日という時間の長さにおいて、これまでの個々の感染予防対策の真の姿が試されるときであります。その守りをしっかりと保ちながら、同じ国内といえども、様々な文化の違いがあることを肌で感じ、その違いを見極める力を養ってほしいと思います。さすれば、人生における旅という行為の深みがぐんと増します。

 コロナ禍の修学旅行だからこそ、感じることができること、体験できること、自己を律することの大切さを実感できることと思います。

 2泊3日の旅を通して、ちょっと、違った視点が芽生えた君たちに再会できることを期待しています。

 

 

  2021.11.24 From 校長室