from 校長室

from 校長室

読書をとおして「ホンモノ」になろう

 10月26日(土)から11月24日(日)まで「秋の読書推進月間」が開催されています。全国学校図書館協議会の調査によると、読書は「大切だと思う」「どちらかと言えば大切だと思う」と答えた割合は小中高ともに約9割に上ったが、1ヶ月に1冊も本を読まなかった児童生徒の割合(不読率)は高くなっています。特に高校生は48.3%。2人に1人は1冊も読んでいないようです。
 築高は、毎朝BUT(ブラッシュアップタイム)の10分間、全校生徒で朝読書を行っています。毎朝皆さんの朝読書の様子を見ておりますが、思い思いの本を持ち寄り真剣に読んでいるようです。築高生はたぶん「読書は大切だ」と思っている人はほとんどでしょう。是非自分なりの目的を持って取り組んでほしいと思っています。
 さて「読書」には下記のように15もの効用があると考えられます。

①語彙力が養われる
②仕事に必要な教養が身につく
③新しい価値観を知ることができる
④ひき出しが増えるため、コミュニケーションが上手くなる
⑤文章を書くことが上手くなる
⑥論理的な思考が身につく
⑦記憶力が向上する
⑧何事にも集中して取り組めるようになる
⑨気分をリフレッシュし、ストレス発散になる
⑩どこでもできるので、移動時間などの無駄な時間が減る
⑪成功者や偉人の考え方を参考にできる
⑫趣味にすれば、お金があまりかからない
⑬本質を見極めるのが早くなる
⑭本を読んでいるという事が、自信になる
⑮本を読む人の方が収入が高いというデータがある

 3年生になると進路実現に向けて様々な文章を書く機会が増え、今の時期、大変苦労しています。文章力は生きている上で必ずといっていいほど必要になる能力です。社会人になってからも仕事のプレゼン資料や業務連絡のメールの作成など様々な場面で文章力が必要です。文章力は書くことでも鍛えられますが、読書でたくさんの文章を目にすることでも効果的に鍛えられます。自分が知らなかった言葉や表現に数多く触れられるため、たくさん本を読んで様々な文章に触れることで文章が書くことが上手くなります。
 また、読み手に自分の考えを伝えるには、相手に伝わるような文章構成が必要です。一冊の本の中には著者による論理的な文章がたくさん詰まっています。読書によって著者の考えた文章を読み解いて理解することで、著者による論理的な思考力を学べます。様々な著者の本を読むことで、その都度論理的な思考が身につくことにもつながります。「書く」ということを意識して読んでみてください。
 人間は自分の価値観で普段は生活しています。しかし、それだけでは考え方が偏ってしまったり、新しいアイデアが浮かばなくなってしまいます。人によって価値観は様々ですが、読書によって本の数だけ自分にはない新しい価値観を知ることができるのです。新しい発想力や考え方が偏らないためにも、さまざまなジャンルの本を読み、新しい価値観に出会い自分を成長させてほしいです。
 また、本は文章からの情報を読み解いて内容を理解しなければなりません。読書すると読解力や洞察力、理解力が高まるため、本質を見抜くのが上手になります。本質を見極めるということは、物事について本当に大切な部分が理解できているかどうかということ。
読書によって本質を見極めるのが早くなれば、仕事をスムーズに進めやすくなったり、人とのコミュニケーションも上手くいきやすくなります。
 ぜひ、築高生には物事の価値観を広げ、本質を見抜く力もつけてもらい「ホンモノ」の人材になってほしいと思っています。

0

栗原の落ち着いた秋 新たな出会いを

 10月に入っても30℃に迫る気温の日が続きましたが、最近は朝晩10℃台まで下がりめっきり秋らしくなりました。古典の授業で学習したと思いますが 平安時代に清少納言が書いた『枕草子「春はあけぼの」』のなかに

  秋は夕暮れ 夕日のさして山の端いと近うなりたるに 烏が寝どころへいくとて 
 三つ四つ 二つ三つなど 飛びいそぐさへあはれなり。まいて雁などのつらねたるが
 いと小さく見ゆるいとをかし。風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。

とあります。京都の平安京から見た比叡山等の景色を描いたものと思いますが、今の栗原の風景にぴったり重なるなあと感じています。
 雲一つない澄んだ秋の空 夕日が西に沈もうとするあたり 栗駒山がこちら側に迫ってくるようにはっきり見え 雄大で美しい。烏が夕日を背に数羽飛びかうなか その上を雁が遠い北の国から伊豆沼に隊列を組んで帰ってきました。涼やかな風が稲わらを燃やす煙や匂いをはこんでいます。遠くから鈴虫の音が聞こえます。たまに奇妙な動物の声が聞こえるときがありますが・・・。取り入れが終わり、ほっとした落ち着いた空気はなんともいえない心地よさを感じます。 
さて、そんな落ち着きのある秋。「読書」に最適な季節です。毎朝読書を習慣としている築高生は、その効用を自覚しているはずです。作家の五木寛之さんが読書のよいところを次のように話しています。
「活字を読んで、その内容を自分のものとして身につけることは、孤独を耐え忍ぶ力になります。人間というのは、仲間や友人とのつきあいがないとさびしいし、世間との距離を感じるのは耐えがたいことですが、本を読むというのは友達がたくさんいるようなものですから、孤独を感じなくて済むんです。『ああ、自分と同じ考えを持っている人がいるんだな』と気づいたり、著者や登場人物の考えが自分とそっくりだと感じて心強く思えたり。本を友としていれば、人間はさびしくないのです」
 少し遅いのですが、この秋今年の本屋大賞「成瀬は天下を取りに行く」とその続編「成瀬は信じた道を行く」を読みました。そこでヒロインの「成瀬あかり」さんに出会いました。確かに今時の女の子と違い「変わった子」です。武士のような言葉遣いで周りから距離を置かれています。しかし成瀬はそんな周りの目を気にすることなく、やりたいことに次から次へと挑戦していく。「小さな種を撒きまくって、1つでも大成すればそれで十分」「今まで200歳まで生きた人がいないのは、『200歳まで生きようと思った人がいなかったから』だから、私は本気で200歳まで生きるとここに宣言して実行する」「たとえ失敗しても気にしない。その挑戦の過程で得られた経験は、その目標を達成しようと思わなければ得られなかった。そして、その経験はこれからの人生の糧になる。」何かと人の目を気にしがちな風潮がある昨今、成瀬の振り切れた言動と持てる力を常にフルに使い一生懸命に行動する姿は私のようなおじさんにもとっても刺激になりました。
 秋の夜長、鈴虫の音を聞きながら落ち着いて読書してみましょう。新しい友達との出会いを楽しみましょう。

0

感動のパリオリンピック・パラリンピック・記念すべき第20回築高祭を終えて

感動のパリオリンピック・パラリンピック

 パリオリンピックが終わり2週間がたちました。本校卒業生で筑波大4年の鵜澤飛羽さんが本校4人目のオリンピアンとして陸上200M競技に出場しました。8月6日と8日の両日、栗原市で企画された地元高清水でのパブリックビューイングに参加させてもらいました。深夜にもかかわらず100名を超えるたくさんの皆さんが集まり、感動を共有することができました。予選には全6組48名がエントリーされ、鵜澤さんは最終の第6組、100M金メダルのノア・ライルズ(アメリカ)選手と同組でのスタートでした。いつも以上にスムーズでなスタートで走りに勢いがあり、途中、ライルズ選手をおさえトップに立つ場面もありました。組3位20秒33の好タイムで準決勝進出を決めました。2日後の準決勝は全3組24名が出場しました。鵜澤選手は第2組、またもライルズ選手と同組でのスタート、予選同様いいスタートを切りましたが、力みが入ったのか後半の走りに伸びを欠いて6着、日本人初の200M決勝進出とはなりませんでした。「勝負させてもらえなかった。すごく悔しい。アップの時点では身体が動いていたので勝負できると思っていたが、レース本番ではあまりかみ合わず、前半からカーブ抜けがうまくいかなかった。」と冷静にレースを振り返り、「決勝に行きたかったという気持ちが強い。4年後のオリンピックに出られるかわからないが、出られたらリベンジしたい。」と次のオリンピックに向け決意を示していました。鵜澤選手 お疲れ様でした。感動をありがとうございました。帰国後、鵜澤選手は休む間もなく日本学生選手権(インカレ)に向け練習に励んでいるようです。是非、ロスでは雪辱を果たしてほしいと思います。
 さて、現在パリではパラリンピックが開催されています。オリンピック同様日本選手の活躍が連日のように報道され、毎日感動をもらっています。ハンディを持ちながらもそれぞれの思いを胸に、必死に戦う姿はたいへん美しく感じました。また、敗れてしまっても相手を大いに讃え、選手一人ひとりが周囲の支援者への感謝の気持ちを率直に表していました。品格と人間性の備わった素敵な選手たちで心惹かれました。
 パラリンピックにはそのハンディをカバーするため伴走者(支援者)がいます。決して目立たず、ただひたすら選手に寄り添い、選手のパフォーマンスを最大限発揮させようと手助けしています。選手を励まし、自信を持たせ献身的な姿勢、「ホンモノのボランティア」の姿勢に感動しました。「人のためプロジェクト」としてボランティア活動に取り組む築高生にはぜひその姿勢を学んでほしいと思っています。

 

記念すべき第20回築高祭を終えて

 おかげさまで先日8月30日(金)・31日(土)の2日間、第20回築高祭が大きな制限を加えず実施し、大盛況に終了することができました。保護者だけでなく地域の方にも案内し、昨年同様400名を超える方が来校してくださいました。ありがとうございました。新型コロナウイルスの変異株「KP3」が流行しはじめたのでダンスと合唱を中止したり、台風接近により模擬店を急遽室内にするなど予定変更もありましたが、文化祭実行委員会を中心にやりきってくれました。ありがとう。お疲れ様でした。
 開祭式後のステージ発表は100分にも及ぶ軽音楽部のステージ。4つのバンド演奏はあたかもライブホールでのステージを思わせるもので全校生徒を一つにまとめてくれました。プロも顔負けのギターやドラムの高い技術が披露され日頃の努力を実感させるものでした。たぶん他の高校では体験できないでしょう。感動しました。
 もちろん吹奏楽部も1・2年生中心ではありますが、大崎栗原地区でゴールド金賞を受賞した力量を十分に発揮素晴らしい演奏でした。伝統文化部の書や美術部の絵画は一人ひとり丁寧に作品を作り上げ、日頃の熱心な活動の様子がうかがえました。また、お客さまにもきちんと説明し応対していました。図書委員会での懐かしのレコード展示は大変興味をそそりました。
 クラスや部活動など参加団体の皆さん、短い準備期間でしたがよくここまで仕上げたと思います。時には意見が合わず対立することがあったかもしれません。それでも話し合いで乗り越え今日のそれぞれの発表につながりました。できばえも大事ですが発表までのプロセスがもっと大事です。その醍醐味を味わってくれたと思っています。すべての生徒に成長の跡が見られました。10月には体育祭があります。クラス一致団結よい思い出を作りましょう。

0

築高4人目のオリンピアン誕生

 昨日、日本陸上連盟から発表があり、本校令和2年度卒業の鵜澤飛羽さん(筑波大学4年)が8月1日からフランスパリで開催されるオリンピックに陸上競技男子200Mの日本代表に選出されました。6月28日(金)に行われた陸上日本選手権(パリオリンピック選考会)男子200Mで見事優勝、2連覇を果たし、また、オリンピック出場資格である世界ランキングも28位と日本人最上位での堂々の出場です。昨年はアジア大会で優勝、世界陸上で準決勝進出と海外での実績も積んでおり、決勝進出が期待されます。
 さて、築高オリンピアン第1号は、遡ること96年前の1928年第9回オリンピックアムステルダム大会ボートレース競技で日本代表に選出された菅原兵衛さん(旧制中19回・富野)です。宮城県のオリンピアン第1号にも認定されています。菅原さんは、旧制築中を卒業後、東京高等工業専門学校(現在の東京工業大学)に進学され、当時ボートレース界では名門であった蔵前端艇部で活躍、東京大学、早稲田大学、慶応大学など並みいる強豪の中から8名の代表に選ばれました。フォワ、スカルとも1回戦敗退となったようですが、息の合った見事な漕法は注目の的であったそうです。
第2号は1992年バルセロナ大会、1996年アトランタ大会クレー射撃競技に出場された伊東総一郎さん(定時制17回・真山)です。バルセロナ大会では33位、アトランタ大会では15位の成績を残しておられます。2000年のシドニー大会はコーチとして参加されており、宮城県のクレー射撃協会の会長も務められました。
 第3号は2012年ロンドン大会、2016年リオデジャネイロ大会女子ホッケー競技に出場した三橋亜記さん(高60回・築館)です。平成17年新生築高1回生で平成19年3年次にはインターハイ3位に導きました。山梨学院大学に進学後も中心選手としてチームを牽引し日本一に導きました。学生時代から日本代表(さくらジャパン)に選出され、社会人コカ・コーラウエストレッドスパークス(現:コカ・コーラレッドスパークス)に所属する。同年ロンドンオリンピックに出場し9位の成績を残しました。
 この4人の先輩方はもちろん身体能力が高く、技術技能に優れていることはいうまでもありません。それ以上に優れているのは競技にかける情熱なのだろうと思います。度重なるけがや挫折があり、苦難の日々を送るなどつらい物語があったやに思います。その度に自分と向き合い自分を鼓舞しその壁を乗り越え掴んだ栄光と考えます。決してあきらめず自分の課題と向き合い、その克服のために試行錯誤し新たな自分を誕生させた自己開発者です。
この度、パリの向かう鵜澤選手も度重なる怪我に阻まれ大学入学後の2年間はつらい日々を送ったようです。しかし、彼は大学で科学的なトレーニング方法や先進的な理論を学び、独自のスタイルを模索し自分をクリエイトしてきています。まだまだ開発途中なのでしょう、世界のトップを目指し貪欲に試行錯誤を続けているようです。
 先輩オリンピアンは築高生諸君に誇りと勇気を与えてくれます。結果ではなくオリンピアンになる過程から自己の生き方を学び「なりたい自分」に近づいてください。
 鵜澤飛羽選手のパリでの活躍をみんなで応援しましょう。

0

「無形の力は有形の力に勝る」

 6月1日(土)から3日(月)までの3日間 宮城県高校総体が行われ無事終了しました。野球やサッカー、ソフトテニスなど会期前の競技も含めできるだけ多くの会場に足を運び、多くの築高生の頑張る姿を目の当たりにすることができ、元気をもらいました。昨秋の新人大会はじめ定期戦、支部総体を戦い、そこで見つかった課題に向き合い練習を積んで修正し、臨んでくれました。ほとんどの競技が1回戦を突破し、3年間の集大成を飾ってくれたと思っています。
 特に男子バレーボール部は仙台勢を破って2勝を上げ20数年ぶりにベスト16入り、剣道も予選リーグ3戦全勝し、決勝トーナメントに進みました。共に強豪仙台育英と対戦し善戦したものの涙をのみました。バレーボール女子も最後は第3シード東北生活文化大高に敗れたもののメンバーぎりぎりの少ない人数でありながら粘り強く戦いました。男子バドミントンは宮城第一、仙台一と熱戦に次ぐ熱戦でゲームセットの後に立ち上がれなくなるギリギリまでコートに立ち戦った勇者もおりました。男子卓球は元気ある応援で会場内に熱気をもたらしました。どの競技も立てた目標には届かなかったとは思いますが精一杯頑張ってくれたのではないかと思っています。3年生は、「やりきった」という充実感・達成感を得られたのではないかと思っています。
 かつて楽天ゴールデンイーグルスの監督を務められた故野村克也氏は「投げる・打つ・走るという目に見える『有形の力』には限界がある。しかし、観察力、洞察力、決断力、記憶力、データを収集分析し活用する力、更に深い思考と確固たる哲学など目に見えない『無形の力』は無限である。磨けば磨くほど、鋭く、強くなる。」「無形の力は有形の力に勝るのだ」と常に選手に説いていました。そして「無形の力」を身につけ多くの選手がその可能性を伸ばしました。
 得てして我々は有形の力にばかり気をとられ、大事なことを忘れてしまっています。「無形の力」はどうすればつけられるのでしょうか。それは「凡事」を徹底することです。毎日隅々まで丁寧に掃除をします。そうすると日々汚れているところに気づくようになります。グランドにある草一本 コートに落ちてるちょっとしたゴミも気になるようになります。毎日、元気よく誰とも分け隔てなくあいさつします。そうすると一人ひとりの自分を見る目が変わり、新しい人間関係ができます。また、相手の日々の心持ちがわかってきます。いろいろなことが気づけるようになってくるのです。試合の中でに相手チームの細かな動きや変化に気づき狙いが見えたり、相手選手の息遣いに気づき緊張の度合いや疲れ具合がわかったりします。それはスポーツだけでなくあらゆることに当てはまります。苦手な教科の原因があるときふと気づくことができたりします。興味のなかった分野の面白さに気づくことができたりします。親しくなかった友達のよい点が見え人間関係が広がってきます。大きく自分の可能性を伸ばすことができるのです。  
 さて、いよいよ来週13日の木曜日から第1回考査が始まります。3年生は、就職や進学を控え重要な時期を迎えます。2年生は生徒会活動や部活動の中心となり学校を引っ張る立場になります。1年生は学校生活に慣れ、部活動や学習、将来の進路など様々な自分の目標を固める時期に入ってきます。築高生には当たり前のことを当たり前に精一杯行って「無形の力」を磨き限界を突破してもらいたいと思っています。

0

「臥薪嘗胆」日々研鑽

 4月6日の始業式・入学式から早いものでまもなく1ヶ月が経過します。特に定期戦を控える築高は連日激しい応援練習が続きましたが、161名の新入生はほとんど休むことなく元気に乗り切ってくれました。立派な築高生になったと思います。
 さて、4月25日(木)、第65回築館高校対古川高校臙紫定期戦が、築館高校、若柳総合体育館(アスパル)、築館テニスコート、築館野球場で開催されました。前日の雨で築館高校体育館での開会式となりましたが、両校1200名に及ぶ生徒・教職員が一堂に会し、校歌の大合唱とエール交換など壮麗な応援風景は圧巻で、定期戦の醍醐味を感じることができました。準備に当たった両校の生徒会執行部並びに応援団に敬意を表します。
 この古川高校との定期戦は今を遡ること68年前 昭和31(1956)年 当時の築高生徒から「古川高校の運動部と対抗戦で勝負したい」との熱烈な要望があり 当時の築高塩沢亮校長が了承し 築高生徒会が古高に申し入れたことがきっかけだそうです。さすが築高生、行動力があります。古高サイドも賛同し 「互いに競い合い心身共に強くなろう」と意気投合し その年の9月1日に野球・柔道・バレーボール・バスケットボールソフトテニスの5種目で始まったそうです。 
 しかし、第1回大会から3回大会まで総合で勝利することができませんでした。初勝利をあげたのは第4回大会だったとのことです。凱歌にある「臥薪嘗胆」はその思いを象徴しています。
「臥薪嘗胆」は中国の故事成語。越との戦いに敗れた呉王の夫差が、その悔しさを忘れないよう堅い薪の上に寝て過ごし、復讐を果たした、その後、越王の勾践がまた敗戦の悔しさを忘れることがなよう毎日熊の苦い肝をなめ、呉を討ち果たしたというエピソードから生まれた言葉です。今では「目的を成し遂げるため艱難辛苦する」意味で使われています。「たとえ一度敗れても、次は打ち負かすよう粘り強く諦めずしたたかに準備し、成功を収める」築高魂を象徴する言葉と思います。 
 さて、昨年3勝12敗で破れて2連敗を喫し、以来「臥薪嘗胆」、古高の3連覇を阻止し、雪辱を期すため、各部活動で冬の寒さのなかもトレーニングを重ね、力を蓄えてきました。結果はソフトテニス女子、綱引き女子、バドミントン男子、バレーボール女子、サッカー、卓球女子が勝利したものの、総合成績は6勝9敗、あと一歩及ばずの惜敗、凱歌をとどろかせることはできませんでした。どの競技も実力は拮抗しており、サッカーは延長PK戦での辛勝、ソフトテニスは2勝2敗で迎えた最後のペアがゲームカウント3-3、最終ゲーム2ポイントリードされての逆転勝利、剣道は11戦2勝3敗5引分で最後の試合に勝てば本数差で勝利というところでの惜敗、見応えのある戦いが多くありました。
 そんな中、25日(木)に先だって前週21日(日)に行われた別日開催の女子バドミントンの試合は感動的でした。5試合すべてが大熱戦で、最終的に2-3で敗れてしまったのですが、実は4戦目で1-3になり決着がついてしまいました。しかし、築高の最後のシングルスの選手はチームの敗戦が決まったことはわかっていたのでしょうが諦めることなく最後まで必死に戦い、逆転で勝利しました。このような場面は相手の波にのまれてしまいがちですが、心を乱さず我慢して粘り強く戦い、勝利に結びつけました。どんな場面でも自分の心をしっかりコントロールし、ベストの力を発揮しようと力を尽くす、これこそが“真の強さ”だと彼女に教えられた。頼もしい築高生もいるのだと感心しました。
 3年生にとっては昨年に引き続いての敗戦、悔しい思い出となりました。もう一度、チームの課題を確認して修正し、来週末から始まる栗原・登米支部総体や6月1日からの宮城県高校総体に臨んでほしいです。1・2年生は「臥薪嘗胆」、この敗戦を片時も忘れることなくしたたかに準備し、来たるべき第66回定期戦では雪辱を果たし、敵地で高らかに凱歌を歌ってほしいと思います。
 今年度の築高生のテーマは「自己管理力・自己コントロール力を高める」ことです。青春まっただなかの築高生は可能性の塊です。ぶれずに日々研鑽し、必ずや「なりたい自分」を成し遂げよう。

0