from 校長室

「無形の力は有形の力に勝る」

 6月1日(土)から3日(月)までの3日間 宮城県高校総体が行われ無事終了しました。野球やサッカー、ソフトテニスなど会期前の競技も含めできるだけ多くの会場に足を運び、多くの築高生の頑張る姿を目の当たりにすることができ、元気をもらいました。昨秋の新人大会はじめ定期戦、支部総体を戦い、そこで見つかった課題に向き合い練習を積んで修正し、臨んでくれました。ほとんどの競技が1回戦を突破し、3年間の集大成を飾ってくれたと思っています。
 特に男子バレーボール部は仙台勢を破って2勝を上げ20数年ぶりにベスト16入り、剣道も予選リーグ3戦全勝し、決勝トーナメントに進みました。共に強豪仙台育英と対戦し善戦したものの涙をのみました。バレーボール女子も最後は第3シード東北生活文化大高に敗れたもののメンバーぎりぎりの少ない人数でありながら粘り強く戦いました。男子バドミントンは宮城第一、仙台一と熱戦に次ぐ熱戦でゲームセットの後に立ち上がれなくなるギリギリまでコートに立ち戦った勇者もおりました。男子卓球は元気ある応援で会場内に熱気をもたらしました。どの競技も立てた目標には届かなかったとは思いますが精一杯頑張ってくれたのではないかと思っています。3年生は、「やりきった」という充実感・達成感を得られたのではないかと思っています。
 かつて楽天ゴールデンイーグルスの監督を務められた故野村克也氏は「投げる・打つ・走るという目に見える『有形の力』には限界がある。しかし、観察力、洞察力、決断力、記憶力、データを収集分析し活用する力、更に深い思考と確固たる哲学など目に見えない『無形の力』は無限である。磨けば磨くほど、鋭く、強くなる。」「無形の力は有形の力に勝るのだ」と常に選手に説いていました。そして「無形の力」を身につけ多くの選手がその可能性を伸ばしました。
 得てして我々は有形の力にばかり気をとられ、大事なことを忘れてしまっています。「無形の力」はどうすればつけられるのでしょうか。それは「凡事」を徹底することです。毎日隅々まで丁寧に掃除をします。そうすると日々汚れているところに気づくようになります。グランドにある草一本 コートに落ちてるちょっとしたゴミも気になるようになります。毎日、元気よく誰とも分け隔てなくあいさつします。そうすると一人ひとりの自分を見る目が変わり、新しい人間関係ができます。また、相手の日々の心持ちがわかってきます。いろいろなことが気づけるようになってくるのです。試合の中でに相手チームの細かな動きや変化に気づき狙いが見えたり、相手選手の息遣いに気づき緊張の度合いや疲れ具合がわかったりします。それはスポーツだけでなくあらゆることに当てはまります。苦手な教科の原因があるときふと気づくことができたりします。興味のなかった分野の面白さに気づくことができたりします。親しくなかった友達のよい点が見え人間関係が広がってきます。大きく自分の可能性を伸ばすことができるのです。  
 さて、いよいよ来週13日の木曜日から第1回考査が始まります。3年生は、就職や進学を控え重要な時期を迎えます。2年生は生徒会活動や部活動の中心となり学校を引っ張る立場になります。1年生は学校生活に慣れ、部活動や学習、将来の進路など様々な自分の目標を固める時期に入ってきます。築高生には当たり前のことを当たり前に精一杯行って「無形の力」を磨き限界を突破してもらいたいと思っています。