第20回卒業証書授与式を終えて
長く居座った10年に一度といわれる大寒波が東に抜け、待ちに待った春の暖かな日差しが振りそそぐ3月1日(土)、140名の卒業生が学び舎を巣立っていきました。土曜日の卒業式とあり、たくさんのご来賓と保護者の皆さん総勢800名を超える多くの方々に参列いただきました。厳粛な中にも暖かさのある素晴らしい式となりました。ありがとうございました
卒業した3年生が入学した令和4年4月は、新型コロナウイルス感染症による重傷者が減少するも、変異株が次々と発生し、第6波、第7波と波が大きくなり、収束のきざしも感じられない時期でした。ソーシャルディスタンスとマスクが欠かせない厳しい条件下での高校生活スタート、中学時から引き続き学校行事や部活動が制限され、友達とじっくり話し合う機会もなく、窮屈で充実感に欠ける生活だったと思います。自分を表現できず、思い悩んだことも多くあったことでしょう。幸いにして昨年度早々に、5類に移行し、この2年間はまさに学校の中心として学校行事や部活動を牽引してくれました。応援練習、対古川高校定期戦、築高祭、体育祭、地域のお祭り等のボランティア活動など、皆さんは昨年卒業した先輩たちとともに 協力して新たなスタイルを模索し、3年生になった今年度は、新たな伝統として後輩に模範を示してくれました。様々な個性を持つ仲間と、互いに認め合い、助け合い、そして学び合い、たくましく成長しました。我々教職員もそのような献身的な姿や思い悩む皆さんと向き合うことから、よりよい教育の在り方について思いを巡らせ、考えを深めることができたと思っています。感謝いたします。
前生徒会長の答辞では、学校生活で、さまざまな失敗やトラブルを経験し、計画を立てたり問題解決したりする力の大切さに気づくことができ、そこから大きく成長できたことや不安定な心理状態の自分に向き合ってくれた両親や先生方への感謝の思いをしっかり語ってくれました。また、式の最後の校歌斉唱では、3年生が大粒の涙を流しながら母校への感謝も思いを胸に力一杯声を張り歌っていました。また、後輩たちも先輩への感謝とその門出を祝うべくいつも以上にしっかり歌ってくれました。築高生の思いが詰まった歌声に感動し、私も感極まってしまいました。
過去は現在や未来の土台となります。幸せな思い出は将来幸せになれる根拠となり、つらい思い出はそれを乗り越えた証拠となっています。この卒業を機会に今まで過ごしてきた18年間をしっかり振り返り土台をしっかり見定めてもらいたいです。
「年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず」という詩がありますが、花も人も変化し続けています。確かに「変化」は、先が見通せず不安な気持ちになります。しかし、「変化」するからこそ、その先には必ず希望が見えてきます。特に高校生はこれから間違いなく大きく変化、成長していきます。希望の塊なのです。
卒業という節目は、「これまで培った土台は何か」「何を卒業し、何をはじめるか」など、自分の来し方と行く末を探究する機会となります。人生の節目の過ごし方を学ぶまたとない好機です。竹は節があるから高く成長することができます。我々人間も同じです。節目、節目を大切にし、人生を豊かなものにしてもらいたいです。