from 校長室
築高4人目のオリンピアン誕生
昨日、日本陸上連盟から発表があり、本校令和2年度卒業の鵜澤飛羽さん(筑波大学4年)が8月1日からフランスパリで開催されるオリンピックに陸上競技男子200Mの日本代表に選出されました。6月28日(金)に行われた陸上日本選手権(パリオリンピック選考会)男子200Mで見事優勝、2連覇を果たし、また、オリンピック出場資格である世界ランキングも28位と日本人最上位での堂々の出場です。昨年はアジア大会で優勝、世界陸上で準決勝進出と海外での実績も積んでおり、決勝進出が期待されます。
さて、築高オリンピアン第1号は、遡ること96年前の1928年第9回オリンピックアムステルダム大会ボートレース競技で日本代表に選出された菅原兵衛さん(旧制中19回・富野)です。宮城県のオリンピアン第1号にも認定されています。菅原さんは、旧制築中を卒業後、東京高等工業専門学校(現在の東京工業大学)に進学され、当時ボートレース界では名門であった蔵前端艇部で活躍、東京大学、早稲田大学、慶応大学など並みいる強豪の中から8名の代表に選ばれました。フォワ、スカルとも1回戦敗退となったようですが、息の合った見事な漕法は注目の的であったそうです。
第2号は1992年バルセロナ大会、1996年アトランタ大会クレー射撃競技に出場された伊東総一郎さん(定時制17回・真山)です。バルセロナ大会では33位、アトランタ大会では15位の成績を残しておられます。2000年のシドニー大会はコーチとして参加されており、宮城県のクレー射撃協会の会長も務められました。
第3号は2012年ロンドン大会、2016年リオデジャネイロ大会女子ホッケー競技に出場した三橋亜記さん(高60回・築館)です。平成17年新生築高1回生で平成19年3年次にはインターハイ3位に導きました。山梨学院大学に進学後も中心選手としてチームを牽引し日本一に導きました。学生時代から日本代表(さくらジャパン)に選出され、社会人コカ・コーラウエストレッドスパークス(現:コカ・コーラレッドスパークス)に所属する。同年ロンドンオリンピックに出場し9位の成績を残しました。
この4人の先輩方はもちろん身体能力が高く、技術技能に優れていることはいうまでもありません。それ以上に優れているのは競技にかける情熱なのだろうと思います。度重なるけがや挫折があり、苦難の日々を送るなどつらい物語があったやに思います。その度に自分と向き合い自分を鼓舞しその壁を乗り越え掴んだ栄光と考えます。決してあきらめず自分の課題と向き合い、その克服のために試行錯誤し新たな自分を誕生させた自己開発者です。
この度、パリの向かう鵜澤選手も度重なる怪我に阻まれ大学入学後の2年間はつらい日々を送ったようです。しかし、彼は大学で科学的なトレーニング方法や先進的な理論を学び、独自のスタイルを模索し自分をクリエイトしてきています。まだまだ開発途中なのでしょう、世界のトップを目指し貪欲に試行錯誤を続けているようです。
先輩オリンピアンは築高生諸君に誇りと勇気を与えてくれます。結果ではなくオリンピアンになる過程から自己の生き方を学び「なりたい自分」に近づいてください。
鵜澤飛羽選手のパリでの活躍をみんなで応援しましょう。