日々の築高

高校生ボランティアアワード2018特別賞受賞記念講演会

 9月27日(金)の第2回考査終了後、高校生ボランティアアワード2018特別賞受賞記念講演会が本校体育館で行われました。この講演会は、昨年度の高校生ボランティアアワードで本校ボランティア部の活動が評価され、特別賞である国境なき医師団賞を受賞したことから、この世界を代表するボランティア団体で活動している方を講師として招き、お話を頂こうということで実施されたものです。講演会の司会進行など運営についてはすべて生徒会の生徒主導で行われました。
 講師として来校いただいた池田知也さん(仙台厚生病院外科医)は、コンゴ民主共和国、イエメン、南スーダンの3カ国でのべ7回緊急医療活動のボランティアを体験するなど豊富な経験をお持ちです。講演の内容を以下に紹介しましょう。

演題「国境なき医師団活動報告」

国境なき医師団について
 1971年に有志の医師とジャーナリストが集まってフランスで創設。あまり知られていないことだが緊急医療活動の他に、証言活動も行っている。また国内の自然災害でも活動している。非医療スタッフ(土木や紛争当事者との交渉が業務)も実は半数近くいる。2018年には日本から106名のスタッフが27カ国に派遣されている。

活動に迎えるにあたって
 日本でまず一人前になることが肝心。
 英語ができることが基本(skype英会話での学習がおすすめ)。
 フランス語ができると活動地域の幅が広がる。

イエメンでの活動 
 アラブの春以降、国内が混乱状態に(2015年より内戦)。宿舎は快適だが一切外出はできない。狙撃された一般市民や爆撃に巻き込まれ四肢の一部を失った人たちへの治療が多い。
(空爆や弾痕、負傷者のケガの様子、措置法が写真や音声付きでリアルに紹介されました)

コンゴ民主共和国での活動
 宿舎はやはり快適だが、マラリアの流行地なので蚊対策が必要。お手製のシャワーが案外快適。交通外傷や暴力、熱傷、先天的疾患の治療が多い。

南スーダンでの活動
 現在、世界一新しいが世界一政府が不安定な国。国境なき医師団が金銭的には一番力を入れて活動している地域。宿舎、医療施設はテントの中。やはり交通外傷や暴力、熱傷、先天的疾患の治療が多い。

派遣を終えて
 誰にでも(活動に)力になれることがある。
 日本の技術は世界に通用する(手先が器用、性格が緻密)

 その後の質疑応答の中では、語学の習得については、若い頃が一番吸収できるので若いうちからやるべき。ボランティアをする際重要なのは、自分の気持ちに素直になること、小さな気持ちでも良い、その積み重ねが大きな力になるなどの指摘を頂きました。
 貴重な内容の講演、大変ありがとうございました。