日々の築高

初めての防災研修が実施されました

 8月11日(日)に防災研修が実施されました。この防災研修は、今年度よりPTAと共催で始まった行事で、被災地や震災遺構を毎年の8月の月命日に訪問・見学することで、自然災害の恐ろしさをあらためて認識し、防災意識を高めるとともに、現地の方々の苦労や努力に共感し、人の絆の大切さを学び、自分たちにも何かできないかという意識を高めるために実施されたものです。今年度は気仙沼方面でのコースで実施され、生徒42名、教職員6名、保護者6名、計54名が参加しました。
 最初の見学地は、被災したかつての気仙沼向洋高校の校舎であり、今年の3月に一般公開が始まったばかりの気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館でした。到着後、気仙沼の被災状況に関するビデオを鑑賞した後、3グループに分かれて遺構の見学が行われましたが、津波で流され3階の窓を突き破って校舎に入った軽自動車が横転したそのままの状態で置かれていたり、教科書や資格試験対策のための問題集があの日のままに散乱して放置されていたり、やはり津波で流された冷凍倉庫が校舎にぶつかった痕が生々しく残されていたりと日常生活のすべてを突然、破壊し尽くした津波の破壊力と恐ろしさをまざまざと見せつけるものでした。見学の最後の集まりでは「今日の体験を忘れないうちに感想を別の人に伝える。これが皆さんの課題です」と館のスタッフの方からの強い訴えがありました。
 つぎに階上公民館に移動し、館長の小野寺隆成先生から「東日本大震災から8年」と題しての講話をいただきました。この公民館の位置する階上地区は、気仙沼の中でも人口に占める犠牲者率が特に高く、家屋被害率についても2番目に高かった地区であるということでした。海が見える地区ほど、犠牲者率が低いという興味深いデータも紹介していただいました。残念ながら震災の経験が次第に風化しつつあり、備えについてもう一度家族と話し合うべきであるいうお話には大いに共感させられました。
 午後は気仙沼市まち・ひと・しごと交流プラザに移動しました。今回の防災研修の大きな目的の一つとして、3年前、当時の築館高校2年生がやはり被災地に訪問し、インスピレーションを受けて作った復興応援歌「明日の君へ」を歌い継いで行くために昨年度「人のため合唱団」というボランティアのサークルが本校生徒有志で結成されましたが、この「明日の君へ」を合唱団のメンバーが被災した現地で披露することで、地域の方々に声援を贈りたいというものがありました。交流プラザの広場では、当日はご当地アイドルショーなどが開催されており、その中で時間をいただいての合唱の披露というということでしたが、緊張感に臆することなく、美しい歌声を披露し、逆に大きな拍手での声援をいただくことになりました。
 色々な体験をさせていただいて自分の中での何かが変わったと感じることができた濃密な一日でした。この経験を活かし、震災からの復興のために何かできることを一人一人が考え、取り組んでいきたいと思います。